1時間も舞に手伝って貰って、ようやく私の準備が出来た。即ち、所謂ゴスロリ衣装だ。


髪は栗色の地毛をゆるく巻いて、あくまでお上品さをアピール。加えて青い瞳。



そして、ドレスの生地はベルベット、生地の色はラベンダー。

要所要所に使われているレースの色は黒。



胸には大中小の、共布でできた大きな蝶タイプのリボン。

脇下からサイドの飾りに編み上げた紐リボンが、体のラインを引き締める。


後ろにも一番大きなリボン。

そして膝上5センチというギリギリのスカートのライン。

足には白いニーハイ。厚底の靴。首にはチョーカー。頭にはヘッドドレス。



その私の横に並ぶのは、モーニングのような執事服を着た、クリス。



このクラスの出し物。

それは「お嬢様のサロンでご休息はいかが?」



コンセプトは舞が考えた。



そして何故か反対者が出ることもなく、私がお嬢様役に、クリスがその執事役に選ばれた。

他の女子生徒達は皆でメイドさん、男子は給仕役。



そんなの先生呼べるわけないでしょーよ!!


「せっかくの日本の高校のお祭り、俺のエスコートを受けて、カノン」


あたかも執事のように手を差し出すクリスの手に、おずおずと自分の手を重ねた。



「今日は、カノンは俺だけのお嬢様、だから」



そう言って、手の甲に軽くキスされた。





この文化祭、無事に終わるのか!?