深層融解self‐tormenting

おうふ!!

思わずため息が溢れてしまう。

そして舞への文句も。

「ねーマジでやんなきゃ駄目?」

「駄目!!クリスもやる気満々だったじゃん。アンタ、クラスに恥かかせて良いの!?」



……いや、それは可哀想だけど。でもさ……。


「何も文化祭であんな事しなくて良いじゃん。フツーで良いじゃん。こんな高いの買わなくていいし」

「だって客寄せになんないもん。儲かんないし」


結局はそれか!


そう。

クリスにはなんとか日本での楽しい思い出を作って欲しいとどこかの誰かにお願いしていたら、意外にもそれは「文化祭」というイベントが来ることで、少しは解消されそうだった。

だから少しホッとしてたのに。



文化祭の実行委員になっていた舞は、HRで出し物を決めるときにこの《出し物》をゴリ押しした。満場一致でその出し物に決まった。


それまでは良いんだけどね。うん。


舞はその出し物に、男女を一人ずつ選び、客寄せに使うことを提案し、それも押し通した。


そして、選ばれたのが私とクリス。




………今は、私達が何をするかは言わないでおこう。

だってこれ、あまりにも恥ずかしすぎる……!


「もう諦めろ。で、どれにしようかなっ」

「アンタの趣味やめて。そんなの頼むなら自分で選ぶわ!!ちくしょう!!」


自棄っぱちになった私は、いかにもウケそうな服の中から一着を選んだ。




何だかんだ言っても、服を選ぶのは楽しいもんね。