お風呂から上がって部屋に戻ると、先生からちょうど着信が入っていたので、思わず携帯に飛び付いた。


「先生っ」


携帯の向こう側の先生がハッとしたように息を飲んだ。


『華音……?なにかあったのか!?』


切羽詰まったような先生の声に、なんでそんな事を聞かれるんだろうと頭を捻った。


「何もないよ。どうして?」

『いや……。アイツが何かしたのかと思ったから……』

「アイツがって……クリスが?何かって何を?何もないよ?」

『なら、いいけど』

「……会いたいなぁ……」

『日曜日にまた会えるだろ。あ、電話は寝るまで切んなよ、お前。切ったら速攻でお前んちに乗り込む。お前が寝るまでは安心できねーから』

「ふはは、じゃあもう寝るけどいい?」

『まだ駄目。もう少し話したい』



こっちはこっちでどこの俺様だ?


先生に会えたのは一昨日の勉強会の日が最後だった。



今までは私の家でやってたから、てっきりその日も私のうちでやるもんだと準備をしてたら、家に来るなり先生が「今日から俺んちでやる」などと言い出した。



それからはお互いに気不味くて。