深層融解self‐tormenting

しかしあの後は肝が冷えた。

凱がやられた事でいきり立った現役heavenのガキ共が、一斉に俺に殴りかかって来ようとしてたから。




それを止めたのは、意外すぎる人物だったんだけど。

宮藤サンと鷹嘴サン。


今になって知ったんだけど、この二人はなんと元heavenのツートップだったのだそうだ。

道理で二人とも教師に見えないわけだ。



それはさておき。



でも、まぁ、凱を戦闘不能にしたって事で、俺の勝ちが決まった訳だが。

喧嘩に勝ったら考えてやるっつったんだから、この場合凱がワイナリーを継いでくれればいいなぁ…なんて思ってはいたが、期待はしていなかった。


コイツの事だから、むしろまた何か企んでるんじゃないか?と。


予想は当たったって訳だ。あんまり嬉しくもないがな。


「……オイ!!」

俺はクリスに向かって呼び掛けた。

「……なるべく早く、場所を決めてこい。……それと」


華音をぐい、と引っ張り自分の方を向かせ、その顎を軽く持ち上げた。

吃驚した華音の目と目が合う。


クリスの目の前で、深く、濃厚なキスをしてやった。


「そう言う事だから。お前には、渡さない」