深層融解self‐tormenting

あまりの騒音に耐え兼ねて部屋から飛び出し、荷物を家の中に運び入れた人物に文句を言おうと玄関まで行った。

こんなに煩いなら、まだ入院しててくれても良かったよ!


「兄貴煩い!!何の荷物を運んでんのさ!?煩くて勉強………」


そこまで言って、固まった。

段ボール箱が玄関から廊下にごちゃごちゃに置かれている。

そりゃもう、足の踏み場も無いぐらいに。


「何、これ?この段ボールの中、何が入ってるの?」


怪訝に思い、兄貴に聞いてみた。すると。


「ああ。今日から店で使おうかと思ってた。役にたつなら、だけど」

「店で使う道具なの?じゃ、店に直接送ればいいじゃん」


兄貴の返答に思わず悪態をついてしまった。


「……まぁ、道具じゃないけどね」


私は悪態をついてそのまま部屋に戻ってしまったから、ぼそりと呟いた兄貴の言葉を、聞くことは無かったのだった。





そして待ちに待った夕方。先生が迎えに来る時間。


浴衣の着付けなんて出来なかったが、何故か詳しい舞や温和さんに教えて貰って、ようやく何とか自分で着付け出来るようになった。