満腹になったところで書店で先生に手伝って貰いながら欲しい本を探した。


こうして見ると、結構な数の対策本があってかなり迷ったが、最終的に先生が奨めてくれた本を買うことにした。


これで後は浴衣だけ……。



「先生、次の買い物は私一人で行くから、コーヒーショップで待ってて?」


だって。せっかく浴衣を着るんだから、先生に初めて見せるのは、花火大会の時がいい。

と思ってたら。


「お前、何買うの?」

意外にも食い下がってくる。

その内、とうとう「先生に見せるための浴衣を買いたいです」と、本音まで言わされた。

白状させる時、先生が私に何をしたかは言わないでおこう。


それからは、先生は自分も着いていくと言って、逆に私を浴衣売り場のコーナーへ強引に連れてきた。


それからが大変だった。


クール系が欲しい私が持ってくる浴衣と、可愛い系を着せたい先生の持ってくる浴衣のタイプが悉く違うもんだから、なかなか気に入ったのが無かったのだけど、赤地にパステルカラーの蝶をあしらったものは二人とも気に入った。


それに決めて、ようやく店を出たときにはもう、日も傾きかけていた。