「ねー……。今日は兄貴のお見舞いに行きたいんだけど。その後、買い物と」



勉強もしなきゃいけないのに。

お風呂場でコトが終わって、広い浴槽につかりながら、先生に文句をたれた。


「……凱の病院ね。連れてってやるよ。お前、病院知ってんの?」



そう言えば、私は兄貴がどこに入院してるかを知らなかった。

「……あれ?知らない……」


どうしよう?春臣に聞けば分かるかな?それとも遊馬……。



「俺が知ってるからいい。上がって、さっさと行くぞ」


さっさとって、執拗に何回もコトに及んだのはアナタですが!?

と言えない私は、もう惚れた弱味につけこまれてるのかな?



本当に兄貴の入院先の病院を知っていた先生は、何故か兄貴の病室まで知っていた。

駐車場で待ってるからとか言って、私を病院前で降ろすとさっさと駐車場に行ってしまう。


んー??

疑問符ばかりだ。何で先生がこんなこと知ってるんだろう?



でも、兄貴が誰かにやられるなんて想像も出来ない。

喧嘩じゃないの、喧嘩なの?

兄貴が怪我した理由を誰も私に教えてくれないのも謎だった。




でも兄貴がギプスを填めるなんて二度とないだろうから、記念にギプスに落書きでもしてやろうっと。