深層融解self‐tormenting

「で、進路どうすんの?」

「進学に決めたよ」


玄関先で靴を脱ぎながら、先生に報告した。

「どこ?大学?」

「F大。果樹経営学部ってのがあるらしくて……。そこにしようかと思ってる」


そか、と頷く先生は何かを思い出すような素振りを見せながら「あー。うちの生徒もいたな、志望者が。でも、今のお前なら大丈夫だろ?」と、如何にも簡単そうに話し出す。簡単じゃないってば。



玄関から居間のソファに移動して、そこに二人並んで座った。


「じゃあ、今まで通り、日曜日は勉強会な」

「あ、うん。よろしくお願いします……?」

「なんで疑問系?」

「いや、日曜日に勉強ばっかじゃ飽きるなぁ、と」


受験生だろ、と、先生が優しく頭を撫でるもんだから、ついつい睡魔に勝てなくなってきた。



時差にも勝てなかったらしい私は、うとうとし始めたかと思うと、いきなり先生の太股の上に頭を乗せた。



「華音、おい……」

「……おやしゅみなしゃい……」


だって時差のせいで眠いんだもん。ちょっとぐらい寝かせてよ。



「……生殺し……」

という先生の言葉が、私の耳に届く前に、私は眠りに落ちていった……――。






―――あれ、今何時だろう?外は明るいから、そんなに時間経ってないのかな……?