今日は夏休み中にも関わらず、私は学校に来ている。


本当は時差が酷くて眠かったけど、どうしても急いで、担任の鎌崎先生と話がしたかったからだ。



鎌崎先生に進路について、昨日の夜に電話で相談をしたら、資料を集めてくるから一回学校に来いと言われた。



職員室の前で待つこと10分ぐらい。


ジュースでも買って来ようかなー、なんて思ってたら「補習か雲母？」と、声をかけられた。




この声は。鷹嘴先生だな。


「お前イタリア行ってたって？土産は？」

「無いし。また春臣から聞いたのー？」



誰にでも私の情報をベラベラと流すのか、アイツは。


「……いや。今回のネタは別の奴から」と、さも意味深に薄く笑う鷹嘴先生はやっぱり無気味だ。



と思ったら「中原だ。中原舞から聞いた」と、鷹嘴先生があっさりフォローした。

なんだ、舞か。

「お前がいない間アイツも暇だったらしくてな。しょっちゅう俺んとこ押し掛けて来てた」

舞、まだ鷹嘴先生のストーキング止めてなかったのか。

「で、私をダシにして仲良くしてたんだー？」

「仲良くっつーか。昨日はかき氷奢らされたけど」

何だかんだで仲良いじゃん。


その時、鎌崎先生が職員室の反対の扉から中に入るのが見えた。

「あ、鎌崎先生が来たから、じゃーね」

そう言って鷹嘴先生には別れを告げた。


「鎌崎先生！」

一週間振りに来た学校。そして担任の先生。