動き易いようにジーンズで来て正解だったな、と、考えた。



バイクが風を切って、まっすぐに続く長く広い道を駆け抜ける。

日本みたいにすぐに信号に捕まるような事もなく、ただひたすら走り続けた。



やがてバイクは広い駐車場で停まった。


イタリアのチームとか暴走族とかの皆さんもやっぱり大人数で暴走行為とかするのかな?

今日はそのための集会とか言っちゃう?



「カノン、こっちだ!」



クリスにまたもや手を引かれて連れていかれたのは、サーキット場だった。


「……今日来てるのは、うちのグループだけじゃない。デュリオ達のグループも来てる。アイツらはあんまり融通が利かないヤツらだから、何をするかが分からない。カノンは俺から離れんな」

「……ここで何すんの?」

「ただのレースさ。見てれば分かる」


連れて来られた広いサーキット場の中には、百数十人ほどの人が集まっていた。



みんな私やクリスと変わらないくらいの年の少年少女達ばかりだった。



クリスを見つけた女の子の一人が嬉しそうに駆け寄ってきた。それを見つけた他の女の子達も、それに倣う。


なんだ、やっぱクリスもモテるんじゃないか。