結局、あの日は鷹嘴先生を追いかけて、大学の学食まで着いていった舞と私。

鷹觜先生は苦笑いして、困ったような顔をしながらも私達二人にソフトクリームを奢ってくれた。



鷹嘴先生からは何故か『教師』という雰囲気があまり感じられない。


強いて言うなら、うちの兄貴と同じようなアブナい、教師としては不安定な『匂い』を感じるのだ。



だから、できるならあまり鷹嘴先生には近寄りたくはない。

けど、友人の舞に付き合っての事なので、こればっかりはやむを得ないのだ。


私としては鷹嘴先生の目につくような行動は取らず、舞が先生に取り憑いて(文字通り)いるのを遠目に見守るに過ぎない。



その点、担任の鎌崎先生は話しをしていて楽しいし、頼もしい『安定感』があるから好きだ。

どっちかと言うと体育会系のような風貌、短髪に筋肉質なその体つきとは裏腹に、妙に繊細な所もある。

そういう面も含めて、クラスの大概の生徒からは慕われていた。



その鷹嘴先生と鎌崎先生が、まさか隣人の春臣とは中学生時代からの仲間だったなんて。



私がそれを知ったのは、東校に入ってすぐの事だったけど、鷹嘴先生と春臣とならツレでもおかしくないかな、とは考えた。


けど、鎌崎先生みたいな真面目な先生が…となると、意外に思えて仕方がない。



案外、鎌崎先生も陰でアブナイ事なんかやってたりするのかな?