「……お前……」



それ以上何を話そうとしてるかなんて、興味ない。

絶対目なんか合わせるもんか。




頑なに視線を逸らし続けた。


顔も見たくない。

話したくもない。

嫌だ。

キライ。

あっちに行ってよ。


口を開けばそんな言葉が出てくるから、口をぎゅっと結んで背中を向けた。


「泉野がいたから、ああいう態度とるしかなかった」



一歩、先生が近付く。私は、一歩後退る。



「お前があの日、学校の制服を着てたから、迂闊に詮索されたらマズイと思った」


また、一歩。


「お前が傷付かないために、あの時はわざと冷たくした」


ガラス窓まで追い詰められた私に、逃げ場はもう、ない。



「理由なくあんな事はしねぇよ。信じろって」


誰が。


「……信じない……」


もう、こんな思い、したくない。

信じたら、また辛い思いをする。



だから。

「……もう、いらない……」

「……いらないって、何を……?」

先生がゆっくり近付き、両腕を伸ばして私を窓に囲いこんだ。



嫌だ。







私は、飼われていたくない!