なんでわざわざ家に電話をかけてきたの?


『鎌崎が今来てるんだけどさ。後は言わなくても分かるよな?』

「……うん……」


心配してくれたのかな、鎌崎先生。

申し訳ないことしちゃったかな。


『とにかく、急ぎで提出して欲しいプリントがあるらしいから、お前今からうちに来い』


春臣にそう言われては否やは言えなかった。


「今から行くね」


気を付けて来いよって言うけど、隣に行くのに何に気を付ければいいのさ?





投げ出すように靴を脱ぎ(ちゃんと揃えた)、玄関をズカズカと上がり居間へ行くと、鎌崎先生と春臣が待っていた。


「雲母!お前、心配したんだぞ!」


それが、鎌崎先生の第一声。


ああ、なんだか本当に悪いことしたな。



反省の色を見せた私に鎌崎先生は優しく「クラスの皆も心配してるから。明日からちゃんと来いよ」と言って、私の背中をドンと叩いた。

強烈に痛い。


「……で、これがプリント。各教科の課題で分からないところは先生方が教えてくれると言ってるから。分からなかったら聞きに行け」

「……うん」

「ま、色々悩み事もあるとは思うが、明日からは真面目に来い。出席日数もギリギリで大丈夫だから」



あ、ギリギリなんだ。もうサボれないのか。残念。