「最初に書いて貰ったアンケートを見て、親近感が沸きました。これからも宜しくお願いしますね」


にっこり笑った夏暖さんの笑顔は、ヒマワリみたいだと思った。

夏らしくて、回りを元気にしてくれるような。



いいな。


そんな笑顔ができるなんて。



夏暖さんのお陰で少し元気になれた私は、足取りも軽く兄貴の店へと戻った。


兄貴は私を一目見て、一瞬だけ目を見開いたが、特に何も言わなかった。

なんだ、つまんない。



私が夕方になって帰ろうとしたら、兄貴は「今日はOB会だから帰らない」と、紫煙と一緒に吐いただけだった。



何やっても、つまんない。明日から真面目に学校行こうかな。



家に帰ってもする事がなくて、余計に暇をもて余す。





お笑いのDVDでも観て気分転換しようとしたところに、家の電話が鳴った。


「はいもしもし、雲母です……」



こんな夜に電話なんて誰だろう?

『よぉ、元気ー?』

「春臣!?どうしたの!?」



春臣なら家の電話番号は知っているから不思議はないけど。