水晶の少年 【第一幕 完結】※続編「SEASON」 


11月の上旬に文化祭が無事に終わり、
生徒会の役職から解放された私たちは、
受験モードも本番になってきた。

推薦入学の人たちは、
少しずつ小論文や試験が始まっている。


私も医大入学の進路を変更することもなく、
流されるように、
時雨や飛翔たちと受験勉強の日々を過ごしていた。


氷雨はと言えば、少しずつ変化が感じ取られた。

朝から体力作りの為か、ランニングを始める。

学校の授業もさぼりがちだったのに、
定期的に学校で行われる実力テストでは、
成績が中ほどから一気に上位10本の指へと変わって行った。



それでも自宅に居る時は氷雨と、小母さん・時雨との衝突は変わることなくて、
氷雨自身の将来絵図を、反対されていることでかなりモチベーションが
低くなってるのが感じて取れた。



その朝も氷雨にとっての面白くない時間は始まった。



「おはよう」


まだ眠そうな顔で、寝起きの声のままダイニングに姿を見せる氷雨は
所定の位置に座ってTVのリモコンをつけた。

朝のワイドショーなどが始まる中、
テーブルにセットされた、朝食を氷雨は食べ始める。


時雨は、食事をしながら単語帳らしきものを
順番にめくりながら続けていた勉強の手を止めた。



「氷雨、アナタ進路は決めたの?
 まだ警察になりたいなんて思ってるんじゃないでしょうね。

 ランニング始めたみたいだけど、
 警察学校に行くための体力作りならお母さんは反対よ」



そう言いながら、会話を切りだした小母さんは
そのまま氷雨の正面の椅子に座る。



「氷雨、昨日も帰ってきたの遅かっただろ。
 学生のバイトは22時まで。
 お前、1時頃まで何やってんだよ。

 今がどういう時期か、ちゃんとわかってんのか?
 この間の実力テスト、成績も上昇してたし
 やる気にはなってんだと思うけど、遅すぎだろ。

 受験はそんなに甘くないぞ」


っと追い打ちをかけるように、
時雨まで会話を続けた。


チラリと見つめる氷雨の表情は、
あっと言う間に不機嫌そうになりながらも、
氷雨は一言も発することなく、朝食を食べ続けた。