クリスマスイヴ。
その日は一緒に過ごせる……。
あの日から、
ずっと一人だったクリスマスが
今年は……楽しい時間になるんだね。
悲しい時間を、
寂しかった時間を
氷雨が……
塗り替えてくれるんだね。
「うん……。
待ってる。
イヴの日……楽しみにしててね。
私も頑張るから」
「じゃ、お休み」
通話の途切れた電子音。
もう電話の向こうに、
氷雨の声は聴こえない。
約束だよ……。
クリスマスイヴの約束。
この約束があるから、
私は……ちゃんと歩いていける。
不安な夜も、
寂しくなる夜も……。
イヴの夜
貴方に逢えるとわかったから……。
だから……
幸せだよ。
自分に言い聞かせるように、
氷雨に貰った、
くまさんを抱きしめながら呟いた。



