「顔色…あまり良くないわね。
ちゃんとご飯は食べた?」


「…………少しだけ」


藤の帰りが遅くなってからご飯を食べる量が日に日に減っていた。


藤といるときはそれを悟られないように隠していた。

藤は気付かなかったのか、何も言ってこなかった。



「如月君も最近あまり顔色、よくないのよね…
何か知っている?」


「……………藤が?」


「そうよ、気付かなかった?」



気付かなかった…

夜はあたしがほとんど先に眠っていた。

それに最近は顔を合わす時間が短かった。



それにケンカもしていた。


「如月君が顔色が悪くなったのは5、6日前くらいからかな…」


5、6日前って…
ちょうど藤が帰りが遅くなった頃だ。


…………それが関係あるのか分からない。




「けど一昨日は朝から結構機嫌よく仕事をしていていたわね…
それにいつもより早く帰っていったわ。

梓ちゃんと約束でもあるのかと思ったんだけど?」