二人で車に乗り込み学校へ向かった。


朝食の短い時間でだいぶカルロと打ち解けられた様な気がする。


カルロが人懐っこいからかもしれない。



「これ返すね」



パーティー会場で拾った赤いリボンを鞄から取り出した。


カルロはリボンを見るなり眉尻を下げた。


でも直ぐに笑顔になり、首を横に振った。



「これは葵が持ってて」

「でもこれ大切なものなんでしょ?」

「大切なものだから、葵に持っててもらいたいんだ」



そう言われても、貰えないよ……。


掌にのっているリボンをどうしたものかと見ていたら、カルロがそのリボンを手に取った。



「バッグ貸して」



言われるまま鞄を渡すと、カルロは鞄の持ち手の部分に赤いリボンを結んだ。


結び終えると「はいっ」っと鞄を返された。



「カルロ……本当にいいの?」

「いいんだ。 葵も赤が似合うね」



こうやって私とアンジェリカさんを重ねてみてるのかな。


心の傷を癒そうと頑張ってるんだろうな。



「今度仕事の関係でパーティーに行くんだけど、パートナーになってくれないかな?」



え!?


パートナー!?