川上
「彰吾、あの先生の自信がもし本物だったら
またバレーやってみても
よくないか?」


「どうせ、たいした事
ねーよ。所詮は女だ」

三波
「ていうか『蝶』って
かなりいい女だよな」

三木
「お前は、女と見れば
すぐそれだ。まぁ、
お手並み拝見といこう
じゃねーか」


「お前ら、なんか勘違い
してね?俺達はもう
バレーは出来ねぇんだよ。。新太郎が許すはずねぇ」

川上
「彰吾……」

そんなやりとりが
なされる中、授業が
始まった。


「今日は蝶先生に
バレーの基本動作の見本を
見せてもらう。しっかり
見るように」

「蝶先生、ほんとに
大丈夫ですか?」
立脇が心配そうに『蝶』
に小声で耳打ちをする。

「だいじょぶ、だいじょぶぅ、早く始めちゃって」


「まずはパスの基本である
オーバーハントバスとアンダーハンドパスだ」

生徒の一人とパスを始めた
『蝶』の手首は事のほか
柔らかく、オーバーパスは
まるで音がせず
手に吸い付くように
ボールが宙を舞い、
アンダーパスは全部同じ
所に正確に返っている。