───トントンッ。 「失礼しまーす」 ドアをノックして会議室に入った。 そこには、音楽科の先生がいた。 『まぁ、そこに座って』と促され、席に座った。 「突然なんだけど、奏さんは進路とか決まってますか?」 「いえ。まだ決まってないです」 『それなら……』と先生は呟きながら資料を取り出した。 「留学してみない?」