その日の夜、わたしはママが買ってくれた服の山をさぁどうしようかとリュックを開けた。


改めてみるとすごい量だ。


やっぱ、ママって金持ちだよな、となぜかおかしくなる。


ふと、大量の服と一緒に一枚のメモ用紙が出てきたことに気づいた。


なんだこれ、と手にとってみてハッとする。


そこには、ママの少し角ばった字で、『LAでの住所』と書かれていた。


別れ間際のママの言葉の謎が解けた。


会いにいくかいかないかは、わたし次第というわけだ。


そしてそれまでママは、やきもきして過ごす。


これはママが自分に課っした罰であり、わたしたちを結ぶ再会のチャンスなのだ。


………そっか。


すとん、と何かが胸に落ちてくる。


大丈夫だ。


また、会える。会いにいく。


服の山を見下ろして、小さく微笑んでみた。