真昼はわたしが尋ねる前にわたしが知りたがっているようなことを話してくれた。


心の中を読まれているようで妙に腹が立つがここは自分をなだめる。


「僕たちの本当の父親は僕たちが小さい頃に死んじゃったのは知ってるよね。」


「あぁ、うん」


自分の好奇心が何かしら人の過去や触れられたくないところをえぐっている。


その自覚がないわけではないが、知りたいものは知りたい。


「お母さんと……その僕たちの父親って駆け落ちみたいなことして結婚したんだ。

祖母は子どもをとられたんだよ、僕たちの父親に。


だから、祖母は俺たちのことが嫌いなんだ。


可愛い娘の子であり、にっくき敵の子でもあるから。


昔は一緒に暮らしてたんだけど、お母さんが再婚してからは会ってない。」


真昼はいたずらっぽく笑って言った。


「唯流が祖母のこと『あの人』って言ってたことも気になってたんでしょ？これで分かった？自分のこと嫌な目で見るような人間に、あの唯流が敬意を払うわけがない。」


「……うん」


腹が立つような、おばあちゃんに嫌われてることを何でもないことのように言ってしまう真昼が悲しいような、なんとも言えない気持ちになってわたしは俯いた。