悪魔的に双子。

「まぁ、犯人探しっつっても具体的に何かする訳じゃなくて、ちょっと噂話に耳立てるとかそんぐらいでいいと思うんですけど。ただ青さんの身がちょっと心配なので……」
「青ちゃん‼」


勝手にいろいろ喋り出した蓮をぽっかんとして見つめていると、ドアの方から間抜けな声が聞こえた。


「新田…くん」


「龍…」


今日は今日とてチャラい新田がすんごい形相で教室の中に入ってきた。


わたしは思わずちらっと田城へ視線を走らせた。


田城の顔には、何かを押し殺すような無表情が浮かんでいた。


「どしたの、新田くん」


迷わずわたしたちがいる所へやってきた新田に、わたしはおずおずと問いかけた。


「……相川さんに聞いたんだけど。青ちゃんがピンチだって」


「……はぁ、で何で君は弁当袋とおぼしきものを持ってるの」


「……へ?だって…」


新田はやっと新田らしい、ヘラっとした笑みを浮かべて言った。


「一緒にごはん食べるから」


「……何で」


新田に問いながらもわたしは蓮の方を向いてたずねた。


「うーわー、青ちゃんって、やっぱ何気ひどいよね」


新田の言葉を片耳で聞いて、蓮が何か言い出すのをまった。


「新田くんに頼んだの。しばらく一緒に昼ごはん『青と一緒に』食べてあげてって。まぁ、間接的ボディガード的な?新田くん顔広いっぽいし、一緒にご飯食べてたら真昼との噂が薄れるかもよ」


……むりくりすぎて頭が痛い。


どうやらわたしは蓮にいいように利用されているらしい。


そして蓮はわたしに黙って利用されてくれと目で訴えている。


わたしは有志とご飯食べる、有志とご飯食べると絶対田城がついてくる。


そして新田がわたしとご飯食べるなら田城と一緒に食べることになる。


蓮は何がなんでも新田と田城の関係を知り、かつできることなら田城の瞳を曇らす何かを取り除きたいらしい。


わたしって二の次、なんか悲しくなってきた。


でも、


訴えるような目で見てくる新田に、何も言えなかった。


どうやら新田は何かを蓮と共有しているらしい。