悪魔的に双子。

「蓮っ、言わなくていいから……」
「なんかあったの」


心配かけるのはめんどくさいので慌ててとめようとしたけど、案の定聞きとがめた有志はのんびりとした口調で、でも誤魔化しは許さない勢いで蓮に聞き返した。


有志の反応に蓮がくるりと目を回す。


「どんだけ青さん大事なんすか」


「蓮ちゃん、そんなバカにしたような目つきしちゃダメだよ」


相変わらずフォローになってない田城のフォローが入る。


「いやね、今日の朝、青さんの上履きにナメクジ入ってたらしいんすよ」


「「……ナメクジ?」」


有志と田城から微妙な反応が返ってくる。


「そりゃ、気の毒だったね……青ちゃん」


「気の毒……青、ナメクジ死ぬほど苦手だもんね」


生温かい同情の目を向けられるわたしの横で、蓮がおかしそうに言った。


「ナメクジが勝手に上履きの中入るとかそうそうないと思いますけどね……多分、誰かが入れたんだと思いますよ」


にぶちんな二人に何の遠慮もなく言ってのけた蓮を横目にため息をついて、冷気を発している有志に視線を移した。


「……は?」


有志の顔に笑顔が張り付いている。


正直、怖い。


「……誰かが青の上履きにナメクジ入れたの?」


わたしの方見てにこにこしながら、でもしっかり目の中には怒りみたいなものが光っている。


「……わ、わかんないよ。ホント偶然入った可能性のが絶対高いって」


「いや、入れられたっしょ。園村真昼に弁当渡した件がありますから」


余計なことをのたまう蓮をギロリと睨むと、蓮は静かで、妙に計算高い笑みをわたしに向けた。


「……そこで、皆さんに提案があるんですが」


蓮は優雅に弁当の中身を口に運びながら言った。


「犯人探し、しませんか?」


「……は?」


今度はわたしが冷気を発する番だった。


「いたずらだって、勝手に蓮が決めつけてるだけだよ。」


蓮の瞳にちらりと苛立ちが走った。


と思ったら、ぐいと引っ張られて、こしょこしょと耳に囁かれた。


『ちょっとだけ、協力してよ』


囁かれた言葉に首をかしげると、蓮はくいっと田城の方にあごをしゃくった。


……よくわからない。