「お前も不良だろうが。寧ろ、俺よりも。」 「…んなことないしー。」 「ふっ。」 緋翠は鼻で笑うと、あたしが入っている浮き輪を持って奥に引っ張っていく。 「…緋翠、今足ついてんの?」 「ついてねぇ。」 やけに、さっきよりも浮き輪に掴まる力が大きくなったと思ったら、やっぱり足がついてなかったか…。 「怖いの?」 「んな訳ねぇだろうが。」 「嘘だ。」 「嘉恋が怖いんだろうが。」