緋翠はいかにも見てわかるくらいダルそうにあたしの手首を掴んで海に入っていく。




「浮き輪いんのか?」



「いるに決まってんだろうが、馬鹿。」




緋翠は“ったく”と呆れたように呟いて、浮き輪を取りに行ってくれた。





あたし、超我が儘。



嫌な女。



自分でもそう思う。