漆黒の少女




「何か走ってきたぞ。」



「…何も見えない。」




麗都が指差して言っている。




あれは、きっと尚哉。



わかってる。



だけど




…あたしは何も見てないことにしよう。




うん。




何も見えない。



誰もいない。





「嘉恋ちゃーん!!おかえり〜★」




…来やがった。