「気にせずに出てくれて大丈夫だよ。」


「…ごめん。ありがと。」



“はい”


“帝、明日の晩さ、繁華街行ってくれね?軽い見回り程度でいいから”


“あぁ。わかった。…ただし、今、鳳啓はあたしに借り1だからな”


“はいはい。わかってるよ。じゃ、頼んだ”



そこで電話は切れた。


…忙しそうだ。


でも、あたしはこの前帰ったばかりだ。


知らない。


まだ、あたしは帰らない。



……。



何この視線は。




「「「「「(ジーッ)」」」」」



…幹部全員に見られている。



「今の男?」


「えっ!?嘉恋ちゃん男いるの!?あぁー、俺の嘉恋ちゃんがぁー!!!!他の男に先越されるなんてー!!」






…何コイツ。



軽くストーカーだぞ、これ。