「お前も仲間か。」


中にいるのは、竹中と一人の女。



お互い部屋の対角線上に立ち、ピリピリとした雰囲気が伝わってくる。



それにしてもこの女何者だ?



黒くストレートな髪を高く結っていて、綺麗な顔がよく見えていた。



この人が一人であんな大人数を倒すだなんて信じられない。



「そいつは俺らとは関係ない。騒ぎを聞きつけて、やってきてたんだろ。」



竹中がぶっきらぼうに、女にいう。



「そうか。関係ないんだな。」




女はそういうと、竹中に向き直る。



「お前の言うことは分かってるよ。おーしゃんの香住 柚葵だろ?」


女は竹中の問には答えない。



「ふっ…。仲間の敵なのか何なのか知らねぇが、そうやって不良みたいな真似してる奴らが、俺らよりも優れた頭を持つだなんてありえねぇぜ。」


竹中は自笑する。



「んま、この間俺らが殴った八雲とかいうやつは頭悪そうだったけどな…。」



一瞬の出来事だった。


気づいた時には



「…う、ぐはっ。」



竹中は宙を舞い、床に叩きつけられていた。


女が竹中を倒した。