生徒side



その日は特に変わったことは無かった。


ただ、いつもの様に先生からの連絡事項を役員に伝えるべく、廊下を歩いていた。



それだけのはずだった…



「…っ。な、なんだこれはっ!?」




目の前に広がるのはまさに地獄絵だった。


生臭い血の匂いに、倒れる男たち。


何が起こったのか全くもって分からない。




男は皆この高校、城東高校の生徒で三年生が主だ。



喧嘩か…?



ありえない。
城東高校は県内で桜花と並び、すごく優秀な高校。髪染めもピアスも見たこともない程、模範的な学校。



そんな城東で、喧嘩が起こるなんて…。



俺は半信半疑に、男たちが倒れるている先に掛けていった。



もし、これが外部による物だったらこの先に犯人が居るかもしれない。





もう、無我夢中だった。




「う…う…。」



走っている途中、一人の男が声をあげた。


俺は慌てて駆け寄り、事情を聞く。



「何があったんだ…?」


「お、お前生徒会の…。」



「そんなことはどうでもいい!一体何があったんだ!」



俺の質問に答えない男にイラつきを覚える。




「お、女だ…。黒髪を束ねた女が襲ってきやがった…。」




女…?



これだけの大人数を女が?




「一人の女が入ってきて、今頃竹中が…。」




竹中?竹中といえば三年生の中でも特に優秀な生徒のはず。

そいつが危ないのか…?


「わかった。お前は此処で大人しくしていろ。直に誰かが来るはずだ。」



そう言って、男を楽な体制にし、俺はまた走った。



竹中といえばいつも多目的室で勉強をしている。



「竹中っ!!」



俺は慌てて、ドアを開ける。