「あ、ついたよ。ここが城東高校。」
なんだかんだ考えてると、もうついたみたいだ。
「なんかねー、あたしの友達によると、三年の理事の息子がすごい権力持ってんだって~。」
スマホをいじくりながら、千奈津は俺を見る。
「そいつが城東のリーダーなのか。」
「うん。そうみたいだね。」
理事の息子か・・・。どんなやつなんだろ。
「ピリリリリ・・・・」
突然、千奈津のスマホがなる。
「あ、晴からだ。もしもし~」
どうやら晴かららしい。
こんな時に電話かけてくるなんて珍しいな。
「・・・・なにそれ。」
急に声が低くなる千奈津。
「ちょっと柑。晴が代わってって。」
・・・なんだろ。
千奈津から携帯を受け取り、耳にあてる。
「もしもし。」
「おう、柑か。張り込み中悪い。 情報が入った。戻って来てくれねぇか。」
ここまで来たのに?
「だけど今、城東に・・・。「その城東の情報が入ったんだ。航平を襲ったのは城東の奴らだ。」
「それは確信なのか?」
「ああ。もう分かっている。 だから一旦体制を立て直すぞ」
「そうか。なら仕方無いな。今から戻るぞ。車、動かしてくんねぇか?」
「もう手配してあるよ。」
了解。
そう言って、携帯を千奈津に渡す
「ここの裏のコンビニに車来てるらしいよ。」
さすが晴だな。
俺は心の中で感心しつつも、コンビニへ向かった。