柚葵side
航平が襲われた。
昨晩の夜、何者かに後頭部を強く殴られ病院に搬送。
誰も何も言わなかった。
リビングには航平以外のみんなが揃っているけど誰も口を開かない。
「・・・・・航平さ、明日があの日だったから・・・・なのかな。」
やっとでた言葉はとても重たい言葉。
きっと航平の前じゃこんなこと言えない。
みんな、きっと気付いていた。
だから、あたしの言葉を聞いてもだれもカレンダーを見ない。
分かってたんだよね。みんな。
「クヨクヨしてらんねぇ。」
晴が立ち上がる。
「その通りだ。あたしらで何としてでも犯人さがしてボッコボコにしてやんないと。」
千奈津もそれにつられて立つ。
柑は何もいわないけど、きっと分かっている。
「柚葵・・・・。」
千奈津があたしを見る。
「下のメンバーを集めて。」


