稀里side







俺、上城稀里(カミシロ キリ)は県内の大学に通う大学生。






高校の頃はヤンチャしてたりもしてたけど、今はほとんど落ち着いている。









そんな中、昔の仲間と飲み会をしていた時。





「お前の妹、どうやらおーしゃんのリーダーになったらしいぜ。」





俺の妹を知る数少ない友人のうちの一人がボソっと教えてくれた。







俺の妹、柚葵は小さな頃から大人しく、どこに行くにしても俺か弟の万里と沙里にひっついてまわっていた。人見知りだったし将来大丈夫かと思っていたが、県内一の桜花に受かったと聞いて安心しきっていた。







桜花に行ける学力なら将来も心配ないと。





だが、それがどうも違うらしい。






おーしゃんと言えば、少し前にできた不良の集まり。






特に喧嘩を好む訳でもないし、かと言って暴走を楽しむグループでもない。いたって謎の集団だった。









そんなおーしゃんのリーダーが柚葵??






信じがたい話だった。









柚葵とは両親が離婚してから離れ離れになったきり、会っていない。







結局、柚葵の事が気になった俺は飲み会を早めに退出し、その後色々と調べた。