「柚葵の兄は椿鬼って事じゃねぇのか・・・・」
柑があたしを見る。
確かに、沙里兄の言ってた事を繋ぐとそうなるけど、まさか・・・
「そうだ。 俺らは8代目椿鬼幹部だ。」
万里兄が冷たく告げる。
そこに兄弟のよしみや、愛情は無い。
その場が静寂に包まれる。
「だったら、何だよ。」
あたしの声は静寂を破った。
「あたしはおーしゃんだ。万里兄たちが敵だったのは意外だったけど、それならそれでいい。これは宣戦布告だよ。」
あたしの言葉でおーしゃんの口角は上がる。
「その意気だね。柚葵。」
「俺、なんか楽しくなってきちゃった。」
「別に、悪くないね。」
「・・・・。」
あたしたちは挑発的な目で万里兄たちを見る。
ギャラリーは興味津々だし、敵は兄っていうめちゃくちゃな状況。
だけど、そんな中でもあたしはしっかり立っている。
仲間に背中を任せ、周りの目を無視して。
あたしは、ここにいますよ?


