・・・別に、ブサイクじゃないんだけどな~・・・なんせ、愛想がねーからな、この人・・・・。

 じっくりと眺める。

 開くとじっと見てくるあの黒い瞳が今は見えない。

 また髪が伸びてるな・・・切りに行ったら?てすすめなきゃ。でないとやつはダラダラと伸ばしてしまうんだから・・・。30回くらい言い続ければ、嫌そうな顔して散髪屋にいくはずだ。

 仕事、まだ繁忙期のはずなんだけどな。抜けてきてくれたのかな。電話はどこからいったんだろう。私は、どこで倒れたんだっけ・・・。

 色々考えながら、じっと見ていたら、ヤツが目を覚ました。

 何度か瞬きをして、寝ぼけた目で周囲を見回す。そして、私が起きているのに気付いた。

「・・・おはよ」

 私は横になったままでそう言う。ヤツはコクンと頷いた。

「・・・うん」

 毎朝のような会話だ。ちょっと笑ってしまった。

「・・・目、覚めたんだな」

 寝起きの掠れた声で、ヤツが言った。

「説明してくれる?」

「何を?」

 ヤツはふわあ~と大きな欠伸をして、ついでに体を伸ばした。

 ・・・何をって、いやいや、今までの全部をさ。仕方ない、ため息をついて、一つずつ聞くことにした。