私の声にピクリと反応を示したものの、

彼女は、車の助手席に乗ってしまった。

・・・

車の運転手を見て、

目を見開いた。

・・・

北条グループ社長、

北条新だったから・・・

・・・

彼女は新とどんな関係なのか?

まさか夫婦とか?

いやそれはない。

新はまだ独身のはず。

・・・

それじゃあ、

彼女は新の恋人なのか?

・・・

新の車の助手席の窓が、

半分開き、

新の声が聞こえた。




「…亜紀さん、行きましょうか」


…亜紀?

亜紀って、まさか…そんな事って。

私はその場から動くことすらできなかった。