…だんだん話が分かってきた。

私に直接この事を話せば、

きっと断られると思ったに違いない。

『お見合い』

・・・

まだ24歳の私には、

お見合いなんて早すぎる。

もちろんお断り。

お見合いなんてしてる心境じゃない。

・・・

「お母さん、私は会わないわよ」


「え・・あ!来たわ」


「・・・」

来る前に、帰ろうと思ってたのに、

相手が先に来てしまった。

・・・

私の顔は引きつるばかり。

・・・

「すみません、大事な休日を私の為に」

そう言って頭を下げたのは、

父が勤めていた会社の跡取り息子。

北条 新(42)・・・(ほうじょう あらた)

確かに、スタイルもよく、

イケメンだと言う事は認める。

だからと言って、そんな事でなびく私じゃない。