そう訴える私に樹先輩はクスッと笑ってみせて、「さぁどうぞ、お嬢様?」と、おどけて言った。


お嬢様!?


彼氏の別荘へお邪魔するのだからそれなりにオシャレしているが、とてもお嬢様には見えない私の格好。


こ、こんなことなら、もっとがんばるべきだった?


なんて考えてると、「せっかくの夏休みなんだから、楽しまなきゃ損だよ?」と、樹先輩。


そ、そうだよね。


樹先輩にとってはこれが高校最後の夏休みなんだし。