長くて、運転席には黒いスーツ姿の若い男の人。


それとは別に、私の荷物を樹先輩から受け取り、トランクへと乗せる少し年配の男性。


「なに、ぼーっとしてんの?」


「あ、あの…。この車って…」


ようやく口に出した言葉が、それ。


「あぁ、うちの車だけど?」


うちの車って、そんな、当たり前みたいに…。