どうやらユウリは仕事と学校で疲れて寝ちゃったみたいで。



明日も休みの澪王は、ベッドの下で筋トレ中。



お風呂に入ったのに汗かいたら意味なくない?



まぁ、この部屋にはシャワー室もあるんだけどね。



澪王とユウリの要望でどっちの部屋にもついてる。



「澪王ってミュージシャンじゃなかったら肉体労働が似合うよね」

「それいいな。何気に大工さんとか憧れる」

「澪王が大工さん!!想像するとめちゃくちゃ似合うっ!!」

「お前は?何になりたかった?」




あたしの夢?



なんだったかな…。



「小学四年生で、2分の1成人式ってのやったの。その時、あたし、何も考えられなくてさ。でもお父さんを悲しませるのもイヤだった」

「それで?」

「ユウリに相談したら、世界一の幸せ者になりたいって書いとけばって。ユウリは冗談だったんだけどね」

「それ、言っちゃったのか…」

「言ったよ。周りは美容師とかケーキ屋とか言ってんのに。おかげで他の親はドン引き。お父さんだけ、笑ってくれたんだ」



世界一の幸せ者か…。