不機嫌honey

滝のように流れる涙を自分では止められない。



近づいてきた澪王があたしと同じ目線になって、ポンッと頭に手を置いた。



「悪かった」



なにに対してかはわからない。



だけど澪王は笑っている。



苦しさが消えて、自然と澪王に抱きついた。



「澪王、怒った!!」

「俺だって怒るときは怒る」

「ごめん…」

「もういい。でも、俺は男友達なんか認めねぇからな?」

「なんで…?」

「あっちがお前に好意持ってんなら尚更、俺には譲れねぇ」



リムのことは認めてもらえないのか…。



なんかヤダよ…。



「ユウリにも聞いた。いいヤツだって。シュリがそいつのこと好きになったらどうすんの」

「ヤキモチ…?」

「ヤキモチっつーか…独占欲だな。いつからこんなに惚れてんだろ…」

「澪王だけだもん…。でもリムとも友達…」

「わかった。ふたりきりになんのはどんなシチュエーションでもナシ。約束できっか?」

「そんなに親しくない…」

「それを早く言え!!」



ふたりにはならないもん…。