不機嫌honey

わかってくれない。



伝わらない…。



今まで、誰かに理解してもらうなんてどうでもよかった。



だけど澪王にだけは、ちゃんと気持ちを伝えたいのに…。



「澪王が怒ったっ…」

「悪いと思ったなら謝りなよ」

「売り言葉に買い言葉だもんっ!!」

「家族にだって、言われたくない言葉ってあると思うけど?」



そうだけど…。



澪王も酷いこと言った。



「絶対謝んない」

「あの顔は相当キレてると思うけど。あんな澪王さん見たことないよ」

「知らないっ!!」



ご飯なんか食べられる気がしなくて、しばらく部屋にこもった。



2時間程経った時、廊下でユウリと話してる澪王の声が聞こえた。



ノックもナシに開いたドアからは冷たい目をした澪王。



「なんか言うことねぇ?」



ドアを閉めて、腕を組んだまま壁に寄りかかってる。



怒ってる…。



きっと、相当怒ってる…。



「この件に関して、俺はお前の機嫌伺うつもりはねぇから」



低い声…。