どうする事も出来なくて目を瞑った。 「……やめろよ」 その声と同時に視界が明るくなった。 ……恐る恐る目を開くと、あの男の子は私から離れていた。 驚いて前を見ると、あの男ではない男の子が私の前に背中を向けて立っていた。 すらりと背が高く、柔らかそうな栗色の髪をしている。 誰……? 私の記憶にはいない人だ。