「そんな汚い手でその子に触んな」
…どうして、?
なんで、菊池くんが、いるの?
路地に響いた声の持ち主は
紛れもなく菊池くんだった。
「あ?誰あんた」
広斗くんがボタンを外していた手を止め、低い声を出す。
「その子のクラスメートですけど?」
菊池くんが、どんどんこちらに来るのがわかる。
「は、?」
「…早くその子から離れろっつってんだろ?」
「……ただのクラスメートがでしゃばってんじゃねーよ!」
広斗くんの怒鳴り声が、響いて拳に力を込めて菊池くんに向かおうとしている。
だめ、殴られる…!
「それ、俺のセリフだから。」

