振り返ると自転車に乗った菊池くんがいた。


｢菊池くん。おはよ｣

｢おはよ。…あ、｣


菊池くんの視線が雄くんに向けられ、軽く会釈をする菊池くん。

なのに雄くんはプイッと菊池くんから顔を背けた。

ま、また？


｢ゆ、雄くん｣

｢………｣


ありゃま。名前を呼んでも返事なしとは。



｢な、なんかごめん菊池くん…｣

｢いやいや。｣

｢…き、菊池くんって自転車通学なんだね？｣

｢あれ、知らなかった？｣


私はブンブンと頷く。

知らない知らない。

今日初めて知りましたよ。