「ゆ…雄くん…」

「なぁに?」

「なんか…キャ、キャラ違くないですか…?」

「そんなことないよー、普通だよ?」


ニコニコと笑う雄くんの笑顔の裏がわらかない。


「まぁ…今日のところはこれで我慢するけど」


最後に、にっこーと満面の笑みを浮かべて雄くんは壁についていた手を離した。


私は、急に足の力が抜けてヘナヘナと地面に座りこむ。



「あんまり俺を妬かせたらこういうことになるからよく覚えといてね?」

「…え?」

「さ、教室戻ろっか。送るよ」


可愛らしい笑顔をしながら私に手を差しのべる雄くんについてわかったことがひとつ。



―雄くんはロールキャベツ系男子だと言うこと。