「てか私たちこんなのんびりしてる暇ないじゃん」
私の背中をバシバシと叩き続けてる若葉に向かって言うと、「あ、そうか」と手を止めてくれた。
叩かれた背中がヒリヒリと痛むんだな、これが。
「若葉、Aチームの応援でも行こーよ」
「そだねー」
私と若葉はクラスの中ではBチームだから試合ない間は他のチームの応援に。
…と、ギャラリーへ向かう途中だった。
私に悲劇が襲ったのは。
「ギャァァァ!陽菜よけてっー!」
クラスメートの叫ぶ声がして、ふと横を向く。
「………え゙」
だけど向いた時には既に遅くて。
― バァンッ!
その音と共にボールが顔面に直撃した。

