「…雄くん」
そう、その人影というのは雄くんそのもので。
壁にもたれかかってどこか遠くを見つめていた。
「あ、陽菜ちゃん!」
私の呟いた声が聞こえたのか、雄くんがこちらを向いて走ってくる。
あれ?まだ昇降口じゃないよね?
「陽菜ちゃん来なかったからここで待ってれば来るかなって…」
雄くんが私の前に来て、ぷくーっとほっぺたを膨らました。
おお、結構なご立腹ですな。
「ごめんね、教室の鍵閉めてて遅くなっちゃった」
「もー、陽菜ちゃん先帰ったかと思っ……」
そのとき雄くんの視線が隣の菊池くんに向けられた。

