落ち着こうと保健室の前で一度立ち止まる。 中に入って美羽の顔を見たら、やっぱり駄目だ。 今日は勉強を教えるほど余裕がねぇ。 「帰るぞ!」 美羽はポカーンとした顔をしていた。 当たり前か。 電車で帰るなんて言いだすから逃げないように生徒玄関で美羽の腕を掴み駐車場まで連れて行った。 車の後部座席に乗せると声を掛けられた。 見つかったら、まずい。 すぐにドアを閉めロックした。