車に乗って直ぐにいつも右に曲がるところを左に進み方向が違う事に気付いた。 「先生、方向が――…」 「車の中では、落ち着いて話せないからな」 車はそのまま進んだ。 家がまばらに建っていて、更に進むと深緑色の屋根にクリーム色の壁の家が見えてきた。 先生は車を停めた。 「ここは先生の家?」 「そうだけど、正確には亡くなった祖父母の家だ。今、住んでいるのは俺一人」